このライブを通して感じたのは、SCANDALは新しい「STANDARD」を手に入れ、新たな「Departure」をして、新しい時代に突入しているということ。
SCANDALの単独ライブは去年の大阪城以来。SCANDALの対バンで横浜アリーナに来た時、いつか単独で立つ日が来たら絶対に行こうと思ってたんだけど、まさかこんなに早く実現するとは思わなかった。
SCANDAL pic.twitter.com/jtMhX3E585
— もっちさん* (@Mocchi_tam) 2014, 6月 29
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手荷物検査や金属探知が無いと、こんなスムーズに入場できるのか…。
— もっちさん* (@Mocchi_tam) 2014, 6月 29
いくつもの伝説を残してきた雨女バンドSCANDAL。この日、(東京はゲリラ豪雨で大変なことになっていたけど)横浜は快晴。もはや雨女は過去の栄光か。
横浜アリーナの中に入ると、WOWOWで中継されるのでたくさんのカメラがスタンバイ。巨大なディスプレイと頭上に輝く”FESTIVAL”のネオン。
暗転とともに、ディスプレイでは美麗な3Dムービーによるカウントダウンが始まり、FESTIVALな街を駆け抜ける。0のカウントで特効(←笑)とともにSCANDALが登場し、楽器を持たないまま1曲目「SCANDAL IN THE HOUSE」へ。今日のセトリはこれ。
何でもできるバンドを目指していたSCANDALが、歌とダンスでいきなりクラブDJよろしく盛り上げる。「SCANDAL IN THE HOUSE」は自己紹介ソングにもなっているので、1曲目に持ってくる遊び心もその道化師のような衣装もまさにFESTIVALだった。
楽器をスタンバイして、「会わないつもりの、元気でね」、いきなり飛ばしまくりの「SCANDAL BABY」。ここで、ハルナの”最高の夜にしようね!”の決めゼリフが飛び出す。
デビュー曲にしてライブの定番「DOLL」の盛り上がりは最高だなと思ってたんだけど、今のSCANDALにしてコール&レスポンスの最強ナンバー「STANDARD」の破壊力は凄まじかった。多分どんな対バンでも「STANDARD」があれば、空気を一気に変えるくらいの力があるんじゃないかと思う。
ここで映像とともに衣装チェンジ。全員がドレスに冠という衣装をベースに、何よりハルナの右肩に乗ってる巨大な毛玉(?)が目を引く。右から見るとハルナが全く見えないし、何よりこれデカすぎてギター弾けるのか…というくらい。まみたすは、白のモコモコ衣装はウサギのようで、今髪色がオレンジで緑の冠かぶってるものだからただの…そう…
人参。
あのゴツいホワイトファルコン担ぐと、ただのネタでしかなかったw
「EVERYBODY SAY YEAH!」では舞台と花道に灯火が焚かれ、その炎がてぃもの銀のラメベースに反射して揺らめくのが、ある種の芸術品にすら見えた。
横浜アリーナの小さいサブステージへの出演に始まり、こうして横浜アリーナ25周年にSCANDALがメインステージに立てているということ。メンバーが50周年もここに立つというなら行くしかないな。25年後もきっとSCANDALはバンドをやっていて、ファンをやっているのは変わらないと思った。デビューから早いもので100曲以上があって、みんなで作ってきたものがこうしてこんな広い会場の沢山の人に届くのが好きとRINAは語っていた。それにしてもRINAのめちゃくちゃ長かったMCもだいぶコンパクトになったものだ…。
この日のベストアクトは間違いなく「ハルカ」だった。歌い出しはピアノをバックにしたハルナのソロ。リリースした当時はハルナの喉が絶不調だった頃なので、ライブでのこのソロは本当に聞けたものじゃなかった。あの頃はもうハルナが復活するのは難しい、以前のSCANDALに戻ることは2度とないんじゃないかという不安しかなかった。けどこの大舞台であの頃にリベンジして、完全に復活したハルナあってこそのSCANDALを見せつけてくれた。魂まで揺さぶるような力強い歌声に熱いものがこみあげてきた。聞かせる曲、最後にもう一度ハルナのソロで終わる余韻すら名残惜しかった。
そこでふと気づいたのが、今日のセトリは「少女S」や「瞬間センチメンタル」という一時代を築いた過去をあえて外して勝負をしてきたということ。その代わりに、ハルナの喉の不調に苦しんだ時代を一緒に乗り越えてきた「LOVE SURVIVE」や「太陽スキャンダラス」(大阪城では「ピンヒールサーファー」)を入れ、さらにはハルナ復活後のSCANDALの表題曲は全て演っている。苦境を乗り越えて”今のSCANDAL“を確立したストーリーを見せたかったのだと思った。このFESTIVALを語る上で、セトリの半分が去年の大阪城以降の曲であることを見逃してはいけない。過去の栄光の影を追い求めたまま今ではあまりライブに行かなくなった自分にも、今のSCANDALは最高のバンドを築き上げたんじゃないかと感じさせるに十分だった。
極めつけは本編ラストの「Departure」、亀田誠治がサウンドプロデュースに入ってMAMIが作詞作曲をしている曲。こうして生まれ変わったSCANDALが、STANDARDを手に入れ新しいスタートに選んだのがこの曲。大人たちに作られたバンドだったSCANDALが、自分たちのDepartureに立った瞬間なのだと思う。今のSCANDALだからこそ出来るミディアムテンポで聞かせるロック、音源で聞く何倍も何十倍も心に響いてきた。
こうしてしっかり練られたライブを思い返してみても、最後は夏だしやっぱタイキミじゃない?っていうノリで決めてるSCANDALがありありと浮かんでくるので、逆にそんなのもSCANDALらしさだった。
ライブの最後のメンバー紹介、BGMは「夜明けの流星群」…と思いきや、運営の配慮で「夜明けの流星群」終わりから流れてきたのは「SCANDAL BABY」!!! これはもう定番の流れになってるのかもしれないw ライブの余韻に浸りながら、解散ムードになった横浜アリーナに響き渡る歓声。アンコールのラストだったりBGMだったり、最後の
本当はいつもあなたにわかって欲しいと思ってたよ
泣きたい時もあったけど もう振り向かないと決めたから
と会場全員で合唱して終わるのがやっぱりSCANDALのライブ。
新しい時代に突入したSCANDAL。けどファンのアンコールがばっっっらばっらなのはいつの時代も変わらないなと感じたそんな横浜アリーナだった。
これからもSCANDALが最高のライブを届けてくれると信じてる。
ナタリー – SCANDAL、大盛況の横アリ2DAYSに「帰りたくない!」
【ライブレポート】SCANDAL、横浜アリーナ2DAYSで「1日1日ちゃんと刻んでいきたい」 | SCANDAL | BARKS音楽ニュース